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「アガリクス」で発がん促進

厚生労働省は、キノコの一種「アガリクス」の健康食品について、一部の製品に発がん促進作用が確認されたと発表した。

アガリクスは「抗がん効果がある」などとして、粉末やカプセルの加工品が数多く出回り、がん患者の4人に1人が使っているとの調査もある。ところが、同省が3種類のアガリクス製品について、試験管や動物で安全性を調べる実験を行った結果、実験が終了した1製品に、発がん促進作用があることがわかった。人体でも同様の作用があるかどうか不明だが、同省は健康被害を未然に防ぐため、製品の自主回収を要請、メーカーもこれを受け入れた。

アガリクスに限らず、健康増進や抗がん効果をうたった健康食品は多いが、人間に使って有効性を調べた信頼できるデータは乏しい。発がんなどに関する動物実験データが学会や医学誌で報告されても、人への害が検証されることは少ない。有効性や安全性があやふやなまま使われていることが多いのが実情だ。

多くの健康食品は特定の成分が凝縮されており、過剰摂取で健康被害が生じたり、通常の食材では微量しか含まれない毒性物質を大量に摂取したりする恐れもある

アガリクスの場合、製品を使ったがん患者らが肝臓障害で死亡した例や、発がん作用を示す動物実験結果も過去の学会で報告されているが、こうした健康食品のマイナス情報は利用者に伝わりにくい。

有効性や安全性を客観的に検証する第三者機関や、その情報を消費者にわかりやすく伝える仕組みが求められる。
(2006年2月22日 読売新聞)
by Medline7 | 2006-02-22 00:00 | サプリメント